PROCESS
製品ができるまで
上下二連銃の製造工程をご紹介します。
-
PROCESS A
機械加工
-
PROCESS B
仕上げ・調整
-
PROCESS C
磨き・着色
-
PROCESS D
銃床・前床部づくり
-
PROCESS E
彫刻作業
-
PROCESS F
組み立て・最終調整
-
PROCESS G
最終検査
-
PROCESS H
出荷
PROCESSA
機械加工
01
銃身の穴開け
深穴加工専用の「ガンドリルマシン」を使用して、銃身の素となる銃身材(金属棒)に、まっすぐに穴を開けます。
銃身には火薬燃焼ガスの高圧に耐えられるよう、クロムモリブデン鋼を調質して硬度をあげた材料を使用。
この「ガンドリルマシン」はグループ会社のミロク機械が製造し、銃の製造以外にも、自動車業界や半導体業界など様々な分野で使用されています。
-
クロムモリブデン鋼を調質して硬度を上げた銃身材
-
ガンドリルマシン
-
穴開け前の銃身材
-
穴開け後の銃身材
02
曲がり直し
銃身材に穴を開けたり外周を削ると、熱や切削抵抗でわずかな曲がりが発生します。
その曲がっている箇所と曲がりの程度は、熟練工が銃身の穴から検査用の白い板を覗き、銃身内部にできる影の歪みから目視で判断します。
一般の方にはなかなか判断できない程のわずかな曲がりも見逃しません。
-
天井に吊るされている検査用の板を覗く
-
曲がり直し作業。歪みがある場合は手作業で細かく調整していく
03
銃身荒磨き・銀ろう付け
銃身の外形を「ホーニング機」と呼ばれる砥石を使用した機械で研磨した後、「銀ろう」という合金で複数の部品を1つに結合します。
銀が多く含まれた「銀ろう」と部品とを700°Cに加熱して結合することで、弾を発射した時の熱や振動に強い銃身が出来上がります。
-
ホーニング機
-
ホーニング加工
-
ホーニング後の銃身材
-
銀ろう付けを行うために、2つの銃身を針金で1つにまとめる
04
銃身元部・リブ加工
「銀ろう」で結合された銃身に、弾を装填する薬室部と銃身上部に取り付けられたリブと呼ばれる部分の加工を行います。
リブには銃身の補強という役割と、標的を狙った時に光が目に入らないようにするための光線除けの役割があります。
05
フレーム加工
提携工場で造られたフレーム材に、機械と手作業にて精密に加工していきます。
フレームには細かな部品で構成される銃の発射機構を組み込むため、加工には高い精度が求められます。
-
加工前のフレーム材
-
機械加工
-
求められる精度が出ているかどうか、手作業で検査
-
精密に加工されたフレーム
PROCESSB
仕上げ・調整
06
調整作業
銃身とフレームの接合面を調整します。
接合面はミクロン単位の精度が求められることから、熟練工がヤスリを使用し手仕上げで1丁ずつピタリと隙間なく合うように調整します。
-
銃身とフレームの接合具合を目視で確認
-
接合面をヤスリで調整
PROCESSC
磨き・着色
07
磨き作業
接着剤と研磨剤を混ぜ固めて乾燥させたバフであら磨きを行い、麻布バフに仕上用研磨剤を塗って磨きあげることでフレーム、銃身の表面が鏡面に仕上がります。
この磨き作業は、職人の手によって1丁ずつ丁寧に仕上げられていきます。
08
着色
フレームや銃身などの金属部は磨き作業の後に着色作業を行い、さらに特殊な薬液で煮て部品を黒色に変化させます。
他金属部との接合面は、着色後に細かい目のサンドペーパーで色を剥ぎ、接合面の密着性を高めます。
PROCESSD
銃床・前床部づくり
09
銃床・前床部づくり
高い強度、加工のしやすさ、木目の美しさから、銃床と前床部には胡桃(くるみ/ウォールナット)を使用。さらに、同じ胡桃でもそれぞれ木目や風合いが異なるアメリカ産とトルコ産とを使い分けることで、お客様の好みに対応しています。
銃床・前床部の加工はグループ会社「南国ミロク」にて行っています。
-
台木保管倉庫
-
加工前の銃床用台木
※ 台木は一つ一つ丁寧に節や割れ、虫食いの有無を確認 -
銃床材に機械加工用の輪郭を記載
-
輪郭に沿って切り取った後の銃床材
-
機械による整形作業
-
前床部への網目加工
-
機械加工後の網目部を熟練工が1つ1つ手作業で修正し、見た目とグリップ力を向上させる
-
銃床の表面を手作業で研磨
-
細かな飾り部を手作業で作成
-
銃床とフレームとの接合部は職人の手によって一つ一つ丁寧に仕上げられていく
10
塗装・仕上げ
銃床や前床部は、木の表面にある導管を塞ぐために塗装の前に目止め剤を塗り込み、下地の平滑処理を行います。
その上にニスや油を塗ることで、木目がきれいに表現できます。
-
銃床と前床部の色合わせ作業。両者の色が揃うように着色していく
-
完成した銃床と前床部
PROCESSE
彫刻作業
11
彫刻
ミロクの銃1丁1丁に施される彫刻。手彫り、ローラー、レーザーなど様々な彫刻技法を使い分けながら、職人が手間を惜しむことなく自らの手で丁寧に仕上げていきます。
彫刻作業はグループ会社「ミロク工芸」にて行っています。
-
フレームへのローラー彫刻作業
-
職人が手彫り彫刻を施していく
-
細かな線を一本一本、ルーペで見ながら彫り込んでいく
1mmの間隔に15-16本の線が入る
PROCESSF
組み立て・最終調整
12
組み立て・最終調整
銃身や銃床、前床部、フレームなど全てのパーツが揃うと、組み立てと最終調整が行われます。
銃の品質と安全を守るために必要な、製造現場での日々の厳しいチェック。
最終検査で不具合が見つかった場合でも誰がその銃を組み立てたかが分かるように、全ての銃にラベルが付けられ、作業を行った担当者の印が押されています。
-
組み立てを待つ銃床と前床部
-
調整作業風景
-
組み立てられた銃
PROCESSG
最終検査
13
外観・機能検査
組み立てた銃は、一丁ずつ専門の検査員が外観と機能を検査していきます。
14
実射テスト
完成銃はすべて、市販の弾よりも火薬が多い高圧弾にて試射を行い、銃の安全性を確認します。
また、弾着判定装置を用いて、弾が的に命中する精度も測定。安全面と機能面の両面から、基準を満たしているか確認します。
PROCESSH
出荷
15
梱包・出荷
すべての検査に合格するとラベルに合格印が押され、梱包ののち世界各地へ出荷されていきます。
-
梱包用に銃を並べる
-
銃は付属品と共に丁寧に梱包される
-
世界中のお客様のもとへ